近年では条件の良い保育園への転職という考え方もスタンダードとなってきていますが、どの保育園で仕事をするにも強く意識しておかなければならないことがあります。
それは「子どもの怪我や事故対策」です。
保育する立場である以上は、強い意識を持つことも重要ですが、事故対策の知識も身につけておかなければなりません。
この記事では、そんな「保育士ならば知っておくべきリスクマネジメント」について解説していきたいと思います。
目次
保育園ではこれまでも多くの事故が起きている
幼児はまだなにをすると危険なのかが判断できないため、思わぬところで怪我をしてしまう危険性があります。
また、怪我だけでなく事故も多くなります。
保育園での重大な事故は年間2,000件程度発生しているといわれています。
約300日保育園が稼働していると仮定すると、1日に7件程度全国で大きな事故が起きている計算となります。
全国には約4万箇所の保育関連施設がありため、確率で考えればそれほど高くはありませんが、それでも発生件数が多いと感じる人がほとんどでしょう。
約8割が事故による骨折などの怪我ですが、中には死亡事故に繋がるケースもあります。
・0歳児のうつ伏せによる窒息事故
・プール遊び中の事故
・給食中やおやつの時間の誤嚥事故
・園庭の遊具などによる事故
・散歩時の交通事故
・送迎バスへの閉じ込め事故
このように、実際に非常に多くの種類の事故が起きています。
保育士は多くの園児を保育しながら、そうしたリスクをマネジメントしていかなければならないのです。
保育士ならば知っておくべきリスクマネジメント
それでは、ここからは実際に知っておくべきリスクマネジメントを挙げていきましょう。
①マニュアルを熟読し不明点がないようにする
各保育園には、必ず「事故防止マニュアル」が存在するはずです。
ミーティングなどでそれらのマニュアルが共有されるはずですが、意外と頭の中に入っていない保育士は多いものです。
シチュエーションごとにどのような怪我や事故のリスクがあり、どのような対策をすれば未然に防げるのかをしっかり明記されているにもかかわらず、熟読し理解していないがために起きてしまう事故も多いといえます。
そのため、「なんとなくはわかっている」という状態ではなく、「熟読し何度もイメージトレーニングをし、実際の業務でも心掛けること」がとても重要なのです。
②チェックリストを作成し実用する
保育園側が用意した事故防止チェックリストがあるならば、それを利用しても良いですし、もしなければ自身でチェックリストを作成し実用すべきです。
世の中に完璧な人間はおらず、必ずどこかでミスをしてしまうものです。
保育士のミスは子どもたちの危険へと繋がる可能性があります。
一般的な会社組織であれば、他の社員が気付き指摘してくれる可能性も高いですし、何かあっても各社員が適切に行動できます。
しかし、0歳~5歳の子どもたちは、そのミスを指摘することも回避することも難しいといえます。
保育士としては、できる限りミスをゼロに近づける努力と工夫をすることが重要なのです。
③事故は大小問わずデータ化して保育士で共有する
前述した通り、保育園は0歳~6歳の幼児を保育する場所であるため、事故が起こりやすい環境です。
大きな事故はマニュアルの徹底と保育士の意識の高さでなんとか防げたとしても、小さな事故は必ずと言っていいほど起きてしまうものです。
しかし、「小さな事故は防げないから仕方ないよね」という考えで済ますのではなく、しっかりとその情報を共有し、その数を減らしていく必要があります。
そのためには、やはり「データ」が有効です。
データは視覚的に認識できるので、頭の中に残りやすい傾向にあります。
「ウチの園ではこういった事故が多いんだ」と全保育士が認識できれば、大幅にその事故の発生確率を下げることができるはずです。
もしも園側がそうしたデータを集計していなかったならば、自身から提案してみるのも良い選択肢だといえるでしょう。
リスクマネジメントの意識が高い保育士はステップアップ転職もしやすい
もしも保育士として条件の良い保育園にステップアップ転職したいのであれば、前述した怪我や事故のリスクマネジメント能力を高めるべきです。
転職活動には、資格やスキルなどの武器が必要ですが、「実績」という武器も有効です。
「現在働いている園で事故防止チェックリストを作成し園全体に共有しました」
「怒っている小さな事故をデータ化して園全体に共有しました」
このような実績があれば、きっと「この保育士を採用したい」と感じてもらえるはずです。
まとめ
今回は、「保育士ならば知っておくべきリスクマネジメント」について解説してきました。
保育園では様々な怪我や事故が起こりやすいですが、保育士ならば一定以上のリスクマネジメント能力を身につけるべきです。
リスクマネジメント能力があれば、子どもたちの安全度を高められますし、転職する際にも武器になることでしょう。
是非徐々にリスクマネジメント能力を高めてみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました!